片岡義男さんの物語に登場するオートバイたち、
特にバーチカル・パラレル・ツインのエンジンを抱えたオートバイに憧れていた
その中に、トライアンフという名前も出てきていた
「ときには星の下で眠る」
「あのトライアンフ・ボネヴィルで走ってたんだって」
「燃料タンクの赤いやつ?」
「そう」
「うわあ,素敵だ」
「湾岸道路」
「とっても素敵な排気音なのね」
「トライアンフです」
ここには、片岡義男さんに関連があることがらを中心に紹介していきたい
「コーヒーもう一杯」の中の
「ガス・ステーションのブルース」で
片岡義男さんはこんな会話を
登場人物にさせている。
「どこへいくの?」
と、彼女がきいた。
「どこへでも」
「え?」
「どこへでも」
「どういうこと?」
「どこへ行こうと、自由なんだ」
「うわあっ、いいんだ!」
怒鳴るように、彼女は言った。
「とりあえず、どこへいくの?」
「さあ」
と、ライダーは言った。そして、両手に手袋をつけながら、
「海のほうへいこうかな。海へ」
「口惜しい」
と、彼女が言った。
時間とお金があったら
オートバイで長旅に出たいなあ。
海沿いを思う存分走ってみたい。
「コーヒーもう一杯」の中の
「風と紅茶の一日」で
片岡義男さんはこう書いている。
「バイクでいくのも素晴らしい。
なんとなく見当をつけたあたりを歩きまわっていると、自分だけの紅茶を飲むにふさわしい場所が、かならずみつかる。」
ここでも、片岡さんは自動二輪のことをバイクと呼んでいますね。
「バイク」って使っているのを確認したのはこれで2冊目。
で、
私は紅茶よりコーヒーを持っていって
自分だけの場所で飲んでみたい。
「コーヒーもう一杯」の中の
「オン・ロード」で
片岡義男さんはこう書いている。
「夏の陽ざしがある、春の風がある。雨の香り、入道雲の予感、遠い夕焼けの町、季節感の、およそ想像を絶したこまかなグラデーションが、空間には常に充満している。朝日の輝き、夜の海を照らす青い月。ひとりで見つめつづけた海の潮騒、セミしぐれ、深い秋の湖の静寂。」
これらすべてのものは、
オートバイ・ライダーのもの
だと片岡さんは言う。
自分はどれだけのものを感じ取っているだろうか。
北海道を走った時に
『海の温度』
というものを感じたことがある。
海の匂いではなく温度なのだ。
体に当たる風の中に
『海の温度』を感じたのだ。
「コーヒーもう一杯」の中の
「そして、小さな島へ」で
片岡義男さんはこう書いている。
「白石島という小さな島に寄ったときは、ぼくにとっては、ほんとうに、ものすごい体験だった。」
白石島が登場していたんですね。
「コーヒーもう一杯」の中の
「彼女の林檎」で
片岡義男さんはこんなシーンを描いている。
「すれちがうとき、ぼくたちは、おたがいにVサインを出しあった。彼女は、ほんのりと、微笑をむけてくれた。」
Vサイン、なつかしい。
今は、オートバイ同士がすれ違っても
Vサインをやりとりすることがほとんどない。
はにかみ屋だから自分からなかなかVサインを出せなかったが、
それでも相手からのサインにはVを返したっけ。
「すれちがいざま、ぼくは、はっきり見た。たしかに、リンゴだった。赤く色づいて丸く張りきった曲面にも、オレンジ色の西陽が当たっていた。リンゴは、ステーの先端で、得意そうに赤城山の風を切っていた。」
読み直してみて、
「ミラー・ステーにリンゴを突きさす」シーンは
ここに書かれていたことを再確認した。
赤城有料道路、今は一般道になっているはずだけど
走ったことがない。
また、行ってみたいところが増えた。